心肺機能を向上させるには
ランニング等を続けていくと心肺機能は向上します。なぜならば体(筋肉)の中の酸素が不足した状態を繰り返していると体はそれに対応して変化するからです。
心肺機能とは
心臓と肺の機能のことです。肺で取り入れた酸素を心臓を使って体内に循環させる機能のこと。肺で酸素をよりたくさん取り込んで、心臓がよりたくさんの血液を筋肉へ送り出すことが心肺機能が向上するということです。
心肺機能を決める5つの要素
・肺換気量
肺に空気を取り入れる機能。量が多いほど優れている。
・心拍出量
血液を心臓から全身に送り出す能力。1回の拍動で送り出される量が多いほど良い。
・毛細血管数
筋肉組織内に張りめぐらされた毛細血管の数。毛細血管の数が増えるほどよい。
・組織拡散容量
全身に送られた血液から筋肉細胞に酸素を取り入れる能力。取り入れられる量が多いほどよい。
・肺拡散容量
肺に吸い込んだ空気から血液中に酸素を取り入れる能力。取り入れる量が多いほどよい。
ランニングの科学 著 鈴木清和
心肺機能を強化するメリット
持久力が上がり、疲れにくくなります。ランニングの場合は早く長く走ることができて、普段の生活や仕事でも長時間動き続けるこが楽になり、疲れにくい体になります。また、体の末端に血液が届きやすくなるため、冷え性の改善に効果が期待出来ます。そのほかにもたくさんメリットはあります。
心肺機能を上げる方法
〇酸素を筋肉に届ける能力を増やしてポンプ作用を高める。
・LSD(ロング・スロー・ディスタンス)というトレーニング方法が効果的です。LSDは呼び名の通り、長い・ゆっくり・距離ですので、長い距離をゆっくり走ります。走ることで毛細血管にたくさんの血液が流れます。これを長時間行うと体は順応して毛細血管を増やそうとするのです。
ゆっくりペースはひとそれぞれですが、目安としてはおしゃべりができるくらいのペース。ニコニコペースともいいます。
具体例
- 初心者(マラソン未経験者):1キロ当たり10分くらい
- 中級者(サブ4) :1キロ当たり8分くらい
- 上級者(サブ3) :1キロ当たり6分くらい
〇最大酸素摂取量(VO2MAX)を高める。
→詳細はマラソンで記録を狙うなら、VO2maxとATを理解しよう
・インターバル走というトレーニング方法が効果的です。インターバル走は早く走るとゆっくり走るを交互に行い何度か繰り返します。スピード練習の一種で心肺に負荷をかける。インターバル間はゆっくりjogでつなぐ。ゼイゼイハアハアするまで追い込むことが重要。ハードな練習なので、ご年配の方は 腰等を痛めないようにしっかりと準備運動しましょう。
具体例
- 100m×10本 (休息1分)
- 500m×5本 (休息2分)
- 1000m×3本 (休息3分)
まとめ
心肺機能を向上させることで持久力が上がり疲れにくくなる。心肺機能を強化するには、長い距離をゆっくり走って(LSD)毛細血管をやすことで、酸素を多く筋肉へ運ぶポンプ作用を向上させる。また、インターバルトレーニングで限界まで追い込みVO2MAX(最大酸素摂取量)を上げる。
インターバルトレーニングはマラソンで3時間30分以内を目指す人は行う必要があるが、サブ4レベルでは 必要がないとおもいます。LSDを重点的に行ったほうがいいですね。
最後に、ランニングは楽しんでこそ継続できるので、あまり無理せず、徐々にこのような練習を取り入れていきましょう。
参考書籍
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